断熱について
1.既存住宅の現状
日本住宅の80%が断熱性能なし
住宅は窓、天井、床、壁、玄関、換気口などから外へと熱が出入りしています。
日本は世界と比較して温暖なこともあり、韓国やアメリカ、イギリスなどの欧米の中でも断熱性能が最も低いと言われています。海外の人からは日本の住宅は寒いと言われてしまうほどです。その裏付けとして、日本の住宅5,000万戸を対象にした調査で、約80%が『断熱性能なし』という結果が出ています。
その中で特に出入りが多い場所が窓(開口部)になり、冬は全体の約50%、夏は74%もの熱が逃げていると言われています。
カーボンニュートラルを目指し「建築における省エネ法」で断熱性能を高める方向ですが、その基準はまだ低く、施工の品質も追いついていないのが現状です。
2.非破壊工法の魅力
コストも生活への負担も最小限に
床下への出入り口・周辺を養生をして断熱材を運び込みます。
床下への出入り口・周辺を養生をして断熱材を運び込みます。
新築では室内側の壁や床がない段階で断熱材を敷き込みますが、既存住宅のリフォームでは剥がして入れ込むことが一般的です。そのため、解体費や建材費が余分に掛かり、断熱をするためだけにも工事費がかさんでしまいます。
また、工事にも日数がかかるため日常の生活ができなくなるというデメリットがあり、多くの方が諦めてしまっていました。
そこで、床や天井をはがさないで床下や天井裏に潜り敷き込む方法とることで、解体することなくローコストを実現しました。
工事も最短1日で行えるので、生活への負担も最小限で工事が可能です。
窓は2重窓を採用し現状の窓をそのままにして、その内側に樹脂枠サッシと複層ガラスの内窓とすることで非破壊な断熱工事を可能とします。
3.窓断熱とは
アルミサッシ単板ガラスの断熱性能は外壁の10分1程度
【サーモグラフィで見る冬の室温】
【熱の流入出比率】
戸建住宅の外気の影響は、夏場には全体の70%ほどが窓からによるものと言われています。
これまでの窓はアルミサッシに単板ガラスですが、これは外壁の10分の1程度の断熱性能しかなく、冬の冷気、夏の熱気の影響を大きく受けてしまっています。そのため、冷暖房の利きが悪かったり、窓に結露を起こすなどの住宅の劣化を引き起こしていました。
『断熱リフォーム・エコ』で提案する窓断熱は、既存のアルミ枠から樹脂枠、ガラスは単板から複層ガラスで国内メーカーの内窓を標準採用しています。
これにより、条件にもよりますが10℃の改善ができたという結果も出ています。
断熱で夏涼しく冬暖かい快適な暮らしを考えるなら、まずは窓断熱です。
4.断熱材とは
高密度・防火効果の強いグラスウールを採用
断熱材の種類は多くあります。
グラスウール、ロックウールなどの繊維系のものやビース法ポリスチレンフォーム(4号)、押出法ポリスチレンフォーム(1種)、硬質ウレタンフォーム(1種)などの発泡系があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、日本の建築で一番多く使われているのがグラスウールです。
グラスウールはガラス繊維状にしたもので、メリットは断熱性能も高く低価格であることや不燃材料のため火災にも強いという特徴を持ちます。
『断熱リフォーム・エコ』では、このグラスウールを採用しています。
断熱材の性能は厚みと繊維密度で決まりますが、これからの新築住宅に義務付けられる断熱性能基準の等級4に対応する品質素材を使用しています。
5.気流止めとは
断熱性能を高める重要な役割
住宅の断熱性能を高めるために重要になってくるのが、「気流止め」です。
一般的な在来木造住宅は、床下と壁内そして屋根裏まで空間的に繋がっています。
しかし住宅で断熱性能を高めることを考えるとき、この空間的な繋がりは致命的となってきます。
煙突は上昇気流によって煙を排気していますが、それと同じように床下と屋根裏の気温差によって壁の中に気流を起こします。
それにより断熱性能が落ちてしまうと共に、壁内の深刻な結露を引き起こす原因にもなります。この気流を止める作業が、「気流止め」です。
防湿性のある断熱材を気流が起こる場所に敷き込んだり、気密テープを使用し僅かな隙間も徹底的に塞ぎます。